こち亀と特許が好きな人のブログ

こち亀に登場するアイデアと実際の特許出願案件とをなんとなく紐つけて紹介していきます。山田山田男さんから引き継ぎました。

40_ダンボール製自動車(163巻)特許出願人:トヨタ車体

こち亀のアイデア×特許出願の紹介>

40件目は、ダンボール製自動車に関するものです。(2009年2月発売、コミック第163巻3話「エコエコダンボールの巻」)

世界一安いエコカーとして、ダンボールボディの自動車「DANBO」を開発するお話。

トヨタ車体からは、自動車の内装材としてダンボールを用いる特許が出願されていました。(特許第6070324号、出願日:2013.3)

【課題】本発明は、低コストで湿度変化による板状内装材の不安定な反りを防止できるようにすることを目的とする。
【解決手段】本発明に係る板状内装材20は、吸湿可能な材料により構成されており、車室内で使用される車両の板状内装材20であって、車室内で意匠面となる表面側21に予め決められた量の水を塗布して表面側が凸面となるように反らせた後、乾燥させて表面側21が凹面となるように反らせたことを特徴とする。

【0008】このように、波板の山頂部と谷底部との延び方向が直交するように奇数枚の前記波板が平板を介して積層されているため、ダンボール状の成形体からなる板状内装材が一方向に偏って反ることがなく、全ての方向において均一に反るようになる。ここで、ダンボールとは、波板状の紙を平板状の紙で表裏から挟む構成の成形体をいう。

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特許第6070324号の図1(左)、図3(右)

ダンボールの表面に水を塗布することにより、不安定な反りを防止するという発明のようですね。

英国トヨタでは段ボール製のレクサスを作ったようです。実際に走れるようですね。

「このプロジェクトの目的は、デザイン、技術、職人芸の限界を極めることだ」と、英国トヨタ・レクサス部門は発表している。

以上

山田山田男

39_高性能な嘘発見器(132巻)特許出願人:カシオ計算機

こち亀のアイデア×特許出願の紹介>

39件目は、高性能な嘘発見器に関するものです。(2002年11月発売、コミック第132巻5話「本音で行こう!の巻」)

携帯電話に接続して使用すると会話しながら相手の嘘が分かるという高性能な嘘発見器「証人喚問君」を開発するお話。例えばカシオ計算機からは、携帯型の嘘発見器についての特許出願がありました。

特開2004-246275(出願日 2003.2)

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特開2004-246275の図1(左)と図10(右)

【課題】話者の会話が終了した段階で、会話全体の嘘の数から嘘の頻度を算出し、画面に表示すること。

【解決手段】入力された音声信号について、較正プログラム204に基づく較正処理を実行し、真実状態値を真実状態値テーブル304に記憶する。そして、入力された音声信号に対応する、振幅レベルと、真実状態値テーブル304に記憶された振幅レベルを比較し、発散度を決定する。そして、その発散度を利用し嘘判定を実行し、嘘をついている場合は嘘カウンタに1を加える。全ての処理の終了後、表示画面W100に、嘘頻度、および全体嘘レベルグラフを表示する

【0007】
更に、従来の嘘発見器は比較的大型であったため、話者に嘘発見器であることを意識させてしまう。すると、話者の緊張度合い等に変化が生じてしまうため、正しく計測することが困難であるという問題も生じていた。

【0108】
以上、3つの実施の形態について本発明を腕時計に適用した場合を例にとって説明したが、本発明にかかる嘘発見器は、上述の実施の形態にのみ限定されるものではなく、例えば携帯電話に適用するなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。

 

腕時計や携帯電話等の小型デバイス嘘発見器の機能を設けて、嘘か否かをこっそりと判定できるようにするという内容のようですね。こち亀に登場するような高性能な判定が可能だとすると、人間関係を破滅に導くような発明かもしれませんね。

いつ頃から発売されているかは不明ですが、携帯型の嘘発見器は以下製品がありました。

上記動画の0:19によれば、ディスプレイに表示された林檎マークの形状によって情動のレベルが測定できる仕様のようです。

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以下フリマサイトでは1,700円で売っているようです。(2018.10.27現在)

<参考文献>

ポリグラフ(polygraph)という道具がある。その名称は‘poly’+‘graph’に由来するが,それはこの道具が「複数の」シグナルを同時に「記録する」からである。複数のシグナルとは,人の生理にかかわるそれ,つまり呼吸,脈拍,血圧,発汗などを指す。嘘をつく人は,それを自分が自覚し,そのときの精神の緊張が当人の生理的な反応を引き起こす,これがポリグラフを支える理論である。だからか,日本語では嘘発見器という。

以上

山田山田男

38_木製パソコン(98巻)特許出願人:アスコ

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38件目は、木製パソコンに関するものです。(1996年5月発売、コミック第98巻8話「インターネット駄菓子屋の巻」)

OS「インドーズ95億」を搭載した木製のパソコン「山田28号」「高橋2号」を開発し、駄菓子屋で販売するというお話。

株式会社アスコから、パソコン本体やマウスに被せる木製の外装ケースについての特許出願がありました。(1996.7出願)

【課題】従来のプラスチック製の外装ケースを有するパソコン機器の欠点を、簡単な構成で一度に解消することができるので、パソコン機器の性能向上、故障防止及び使用者の快適性を向上させることのできるパソコン機器の外装ケースを提供する。

【解決手段】木質材料の非帯電性、吸湿性、衝撃吸収性、吸音性という性質に着目して、外装ケース自体を木製にするか、或いはプラスチック性の外装ケースを有するパソコン機器の外側に木製の外装ケースを被せるという極めて簡単な構成で、パソコン機器の性能向上、故障の未然防止及び使用者の快適性の向上を図ることができる。例えば、パソコン本体10の外装ケース12自体を木製にするか、プラスチック製の外装ケース36を有する縦長な直方体状のパソコン本体10の外側に木製の外装ケース38を着脱自在に被せる。

 

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特開平10-31533の図1(左)、図3(中)、図9(右)

木製のパソコン&周辺機器の写真については以下のページに纏まっていました。なかなか味があっていい感じですね。

以上

山田山田男

37_ローラー下駄(121巻)特許出願人:昇寛 氏

こち亀のアイデア×特許出願の紹介>

37件目は、ローラー下駄に関するものです。(2000年9月発売、コミック第121巻2話「ローラースポーツでGO!GO!!の巻」)

浴衣姿にもぴったりという和風のローラー下駄が登場するお話。

ローラー下駄は以下特許出願&製品がありました。

特開2008-161651(出願人:昇 寛 氏 出願日:2007.1.4)

【課題】 人が下肢関節固有感覚促通運動を簡便に行うために、下駄型ローラーペダルに足部を載せ4本の鼻緒を5本の足指で挟み込み、足指筋力強化運動を行えるのと同時に自由に床面を滑走させて股関節、膝関節、足関節の運動制御の練習となるように工夫した運動装置を提供する。
【解決手段】 底の4隅にローラーを設置した下駄型ペダルに足部を載せて4本の鼻緒に足指5本で挟み込み、足指筋力強化運動と床面滑走運動が合わせてできることを特徴とする。

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特開2008-161651の図1

このローラー下駄は、股関節や足関節等の運動用途を想定したもののようですね。発明者の昇寛氏は、保健医療学博士の先生のようです。

昇 寛 | 柔道整復学科 | 医療科学部 | 教員一覧 | 教育・研究 | 帝京科学大学

 

なお、埼玉にある会社さんからは以下の様な製品も販売されていました。

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上記HPより

以上

山田山田男

36_自動走行警備ロボット(161巻)特許出願人:綜合警備保障株式会社(ALSOK)

こち亀のアイデア×特許出願の紹介>

36件目は、自動走行警備ロボットに関するものです。(2008年9月発売、コミック第161巻3話「お掃除ロボ出動!の巻」)

中川の会社が開発している巡回監視ロボ「アポロ」の紹介が含まれるお話。赤外線センサーを用いて夜間のビル内を巡回し、人の反応があれば警報を発するというもの。

似た技術に関する特許出願については、綜合警備保障株式会社(ALSOK)から1983.9に出願されていました。(特公平1-48600)

警備ロボツトを用いた警備システム | Patentfield

 

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特公平1-48600の図2

 このように本発明の一実施例によれば、警備用センサ1を有する警備システムが即時対処手段全装備する移動型警備ロボット10を配置した構成により、直列接続され
た複数個のうち少なくとも1個の上記警備用センサで検知された警備事故の発生を、通常は所定箇所に待機している警備ロボットに移動サーチさせることで、その所在
を正確に突きとめることができ、更に外部の警備センターに通報させると共に、ロボット内蔵の即時対処手段で警備事故を迅速かつ適切に処置することが出来るという大なる実用的効果を奏する。 以上のように本発明においては、侵入者の侵入や火災等の警備事故全警備センサにより検知して警備ロボットを起動させ、この警備ロボットにより警備事故に対する検知確認、対応処置および外部への報知を行なうようにしており、警備事故に対する正確な検出および迅速な対応処置を行なうことができ、事故の拡大を防止することができるとともに、事故処置要員や警備車の削減を行なうことができる。

警備ロボット自身ではなく、部屋に設けられた警備用センサ1にて侵入者の侵入や火災等を検知する仕組みのようです。

以下、陸上における監視・警備用のロボットに関する特許マップを描いてみました。*1

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出典:Patentfield

近年で出願件数が多いのはシャープやカシオ計算機ですね。2017.7の以下記事によれば、シャープは米国の警備会社に対して360度撮影可能な監視ロボットを納入したとのこと。当該製品に対応する内容を2015年-2016年あたりに特許出願しているのかもしれません。

警備×ロボットに関しては以下の様なニュースもあります。ロボットを活用した街づくりを目指して、三菱地所が力を入れているようです。

三菱地所が出資するSEQSENSE社については以下記事に纏まっていました。

その他、ソフトバンクのPepperを活用した万引き防止の実証実験も行われているようです。

以下NEDO資料によれば、2035年には警備×ロボットの市場規模は約4,300億円程*2になる見込みとのこと。

2035年に向けたロボット産業の将来市場予測(NEDO)

 

以上

山田山田男

*1:母集団:5H301BB10 × 5H301AA01 = 57件(国内)

5H301:移動体の位置、進路、高度又は姿勢の制御

5H301AA01:・陸上用 5H301BB10:・検査、監視作業用

*2:機械警備:2,689億円 施設警備:1,632億円

35_演歌版ボーカロイド(186巻)特許出願人:ヤマハ

こち亀のアイデア×特許出願の紹介>

35件目は、演歌版ボーカロイドに関するものです。(2013年7月発行、コミック第186巻1話「ボカロPの巻」)

ボーカロイドVOCALOID*1を用いて、「時空P*2」として部長が演歌版のボーカロイドである「艶歌ロイド」を作成するというお話。

ボーカロイドの開発元であるヤマハからは、演歌や童謡等のジャンルに応じて歌詞データにおける漢字の読み方を変化させるという技術に関する特許出願がありました。(出願日 2000/12、特開2002-182675)

【課題】 漢字仮名混じり文字データからなる歌詞をジャンル等の変換態様に合わせた適切な仮名文字データに読み替えた上で、この仮名文字データをメロディの音符データに割り当てる。

【解決手段】 漢字仮名混じり文字データからなる歌詞データを漢字仮名変換処理によって仮名文字データに変換し、この仮名文字データを仮名割当処理によって、メロディの音符データに割り当てる。漢字仮名混じり文字データから仮名文字データに変換する際、予め記憶されたジャンル情報にそれぞれ対応した辞書のうち、指定されたジャンル情報に対応した辞書を選択し、この辞書に基づいて漢字仮名混じり文字データを仮名文字データに変換する。これにより、漢字をジャンルに対して適切な読みで仮名に変換する。

【0040】次に、CPU11は、文字位置L=3、文字数N=5に設定し(ステップS29)、同様の処理を行う。文字位置L=3から始まる文字列Sは「女は行って」であるから、この文字列Sが形態素辞書14i内に存在しているか否かを判定する(ステップS24)。この文字列Sは形態素辞書14i内には存在していないから(ステップS24;NO)、文字数を順次減らし(ステップS30)、その都度形態素辞書14i内に文字列Sが存在しているか否かを判定する(ステップS24)。この文字列の場合には、文字列Sが1文字の「女」となった場合に、形態素辞書14iに記憶された演歌辞書14b内に、「女」という言葉が存在しているため(ステップS24;YES)、この演歌辞書14bの「女・・・ひと」を読出し(ステップS25)、「ひと」の2文字をRAM12に記憶する(ステップS26)。

 

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特開2002-182675の図6

例えば演歌の場合は、「女」や「男」を「ひと」と読ませるようですね。

以下は、「楽器とコンピュータ*3」に関する特許情報をマップ化したものです。縦軸の日本標準産業分類(小分類)をみてみると、「楽器製造業」に属する企業が昔から件数を多く出願しているのが分かります。その後、「事務用機械器具製造業」「映像・音響機械器具製造業」が後を追っているようですね。

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出典:Patentfield

各業種における出願人は以下のとおり。楽器製造業はやはりヤマハの件数が多いですが、その他に河合楽器やローランドからも出願されていることが分かります。

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出典:Patentfield

ところで、演歌ボーカロイド「ボカロ演歌」というジャンルは現実にも存在するようですね。

sachikoの「天城越え」は本物そっくりですね。

こちらは初音ミクの「津軽海峡冬景色」。

以上

山田山田男

34_方言の音声認識技術(95巻)特許出願人:日本電気

こち亀のアイデア×特許出願の紹介>

34件目は、方言の音声認識技術に関するものです。(1995年10月発行、コミック第95巻1話「音声対応ワープロ!!の巻」)

中川の会社で開発した、音声入力可能なワープロが登場するお話。単なる音声入力だけでなく、標準語⇔方言の自動変換が可能という内容が描かれています。

方言の音声を認識して標準語へ変換する技術については、例えば日本電気から以下の特許出願がありました。(特許第5413622号, 出願日:2010/3/16)

【要約】
標準語のテキストから作成された標準語言語モデルを用いて新たな言語モデルを作成する言語モデル作成装置200を用いる。言語モデル作成装置200は、方言を含む単語列を標準語の単語列に変換するための変換ルールを記憶する変換ルール記憶部201と、標準語言語モデル中の単語nグラムに変換ルールを適用して、方言を含むnグラムを作成し、更に、作成した方言を含むnグラムを単語nグラムに追加して、新たな言語モデル(方言言語モデル)を作成する方言言語モデル作成部203とを備えている。 

 

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特許第5413622号の図1(左), 図2(右)

近年では、NTT、弘前大&東北電力による以下ニュースがありました。まだまだ発展中の技術の様ですね。

<NTT>

弘前大&東北電力

参考記事:難解な津軽弁をAIが認識!? 「自然言語処理」の可能性 | 電通テックの公式メディアBAE

 

以上

山田山田男